
台湾の頼清徳(ライトントー)総統は13日、中国を「境外敵対勢力」とする認識を示した。交戦状態にあったり非平和的な手段で台湾に危害を加える国や組織を差す言葉として台湾の法律で定めているが、中国が該当すると名指しするのは異例だ。
同日に開いた臨時の記者会見で明らかにした。会見で頼氏は、「中国はメディアや政党、現役や退役軍人までをも取り込み、われわれの内部で分裂、破壊、転覆活動を行っている」として、中国が統一戦線工作や浸透工作を強化していると指摘。「台湾をのみ込もうとする中国の野心が変わったことは一日たりとない」と述べた。
中国外務省の毛寧報道局長は同日の定例会見で、頼氏の指摘について「民進党当局が何を言おうと、台湾が中国の一部という事実は変えられない」と語った。
台湾では、軍人や元軍人が中国側から資金を受け取って軍事情報を漏洩(ろうえい)したとして起訴されたり、芸能人がSNSに中国側の主張に沿った内容を投稿したりするケースが問題視されている。頼氏は非戦時における軍事法廷制度の復活など、浸透工作への対応を強化する方針を示した。